プロフィールでも説明していますが、私が持つ資格は以下のようになっています。
- 理学療法士
- 修士号(医科学)
- 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
- Certified Strength and Conditioning Specialist:CSCS
私がこれらの資格を取得したのは「スポーツの現場で生きていく上で必要だと感じた」からです。
ここでは、大谷のプロフィール紹介の補足として、各種資格の説明をさせて頂きたいと思います。
まず私が最初に取得した理学療法士の資格に関して、今回は説明をしたいと思います。
理学療法士とは
理学療法士は医療関連の国家資格であり、英語ではPhysical Therapistで略してPTと呼ばれる事も多いです。(以下文中ではPTと述べます)
私が所属する日本理学療法士協会では、PTについて以下のように説明されています。
理学療法士を一言でいうならば動作の専門家です。
国民の皆さま向けサイト 理学療法士とは,日本理学療法士協会(2022年2月10日参照)
寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目指します。
関節 可動域の拡大、筋力強化、麻痺の回復、痛みの軽減など運動機能に直接働きかける治療法から、動作練習、歩行練習などの能力向上を目指す治療法まで、動作改善に必要な技術を用いて、日常生活の自立を目指します。
https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapist/
私の考えるPT像も、この内容とほぼ同じで「医学的な知識を元に、人の動きを評価して、人間の動きを変える専門家」と考えています。
少し具体的に説明させてください。医療に関わる資格は沢山ありますが、それぞれに専門分野があります。
私は特にスポーツ整形外科の領域に身を置いてきました。
よくある選手(患者)の悩みは「身体が痛い」ではないでしょうか?
選手は「身体の痛み」を解決したくて病院に来るはずです。病院では様々な資格を持った人たちが、それぞれの分野で選手に向かい合います。
- 医師
- 看護師
- 診療放射線技師、臨床検査技師
- 薬剤師
- 義肢装具士
- その他スタッフ(事務関係職員・料理員・清掃スタッフなど)
私は、PTとして何ができるのでしょうか?
医師のように「痛みの原因に対する診断を下す」事や「切れた靭帯をつなぎ合わせる手術をする」事はできません。
看護師のように「医師の診療の補助」や「術後の患者さんの生活に寄り添って支援する」事もできません。
放射線技師や臨床検査技師のように、「レントゲンや様々な検査機器を扱う」事もできません。
薬剤師のように「症状を和らげたりコントロールする為のお薬を管理する」事もできません。
義肢装具士のように「1人1人に合わせた装具を作ったり調整する」事もできません。
他のスタッフの方々のような形で「病院の運営をサポートする」事もできません。
※スポーツ整形外科の分野を想定して各々の業務を簡単にまとめてしまいましたが、本来はこんな単純な話ではありません。
あくまで大谷個人の見解ですが、失礼な記載があったら申し訳ありません。
このように、病院では1人の選手の為に多くの人間が働いています。
では、私はスポーツ整形外科の分野でPTとして何が出来るのか?何をしてきたのか?考えてみたいと思います。
理学療法の流れ
まず最初に、医師は診察の内容を元にリハビリテーション(以下、リハビリ)の指示を出してくれます。
それから選手はリハビリ室にやってきます。
私達PTは、カルテを確認して医師の診察内容や指示内容を踏まえた上で、まず最初に評価を実施します。
もちろん、医師が全体的な診察を踏まえて診断を下してはいます。私達PTが、より深く評価するのは以下のような項目です。
・人の動きに関わる部位の状態
⇒「骨・関節・筋肉・靭帯・腱・神経・血管など」の状態を細かくチェックします。
・人の動きそのもの
⇒「筋力」力の大きさ・力を発揮する速さ・持続時間を確認する
⇒「関節可動域」関節を動かせる範囲・関節の不安定性を確認する
⇒「基本的動作分析」姿勢や立ち歩きなど簡単な動作を確認する
・スポーツの分野に関わるもの
⇒「競技特性」各スポーツに特徴的な動作や環境について確認する
上記の様な評価内容を踏まえて、選手の「身体の痛み」について分析し、治療すべき問題点を見つけ出していきます。
例えば、分かりやすいのは以下のような感じですかね。
例)「片脚でジャンプする際に膝が痛む」というバスケットボール選手
医師からは膝のお皿の下にある腱の炎症である「膝蓋腱炎」という診断の上、リハビリの指示が出たとします。
実際にリハビリ室で選手の状態を評価すると、確かに膝のお皿の下にある「膝蓋腱」の部分に痛みがあるようです。
そこで、痛みの出る動作である「ジャンプ動作」を確認すると膝が大きく内側に傾く特徴がみられました。
また、身体の状態をチェックしてみると、「股関節を外側に開く筋力が弱い」という特徴も見つかりました。
他に大きな問題はなさそうです。
そこで、担当のPTは頭の中で痛みの原因を整理して推論を立てていきます。
すると、こんな仮説が立てられました。
「股関節の筋力が弱い」
↓
「片足でジャンプする際に膝が内側に入る」
↓
「膝蓋腱に捻じれるような負担がかかる」
↓
「膝蓋腱炎が生じる」
↓
「膝が痛い」
このようなケースに対して、膝の痛みだけに目を向けて、膝だけ局所的な治療をしても根本的な解決にはならないでしょう。
かといって、「ジャンプする時に膝を内に入れるな!」と注意したところで、十分な筋力が伴っていません。
そのような状態で、ジャンプの練習をしながら動作を変えようとするのは無理があります。
まず、根本的な問題である「股関節の筋力」を解決した上で、実際の動作の改善を狙ったエクササイズをしなくてはいけません。
もちろん局所を無視するわけではなく、痛めている組織の治癒を促す目的で物理療法(超音波治療器など)を行う事もあります。
膝蓋腱に繋がる太ももの筋肉の柔軟性に問題があるのであれば、改善する為にストレッチ等のアプロ―チも実施します。
その上で、問題となっていたジャンプ動作を改善する事で「身体の痛み」を解決していく。というのが、リハビリの流れだと思います。
リハビリのメニューを実施した後は、再度評価を行い、症状が良い方向に変化しているか確認し、再評価の内容に沿ってメニューを修正していきます。
ザックリとした流れですが、理学療法に関して少しイメージする事ができれば幸いです。
※上記はあくまでリハビリの流れを簡易的に示した一例です。実際には、こんな単純に説明できる内容ではありません。
勤務する施設の方針や、対応する患者の状態によって、実施する評価も考察の流れも、対応方法も千差万別です。
スポーツ理学療法という分野
理学療法には様々な分野が存在します。
その中でも「スポーツ理学療法」と呼ばれる分野が存在します。
日本スポーツ理学療法学会では、以下の様に説明されています。
スポーツ理学療法は、様々な目的をもってスポーツに取り組む対象者が、効率よく安全にスポーツ活動を実践できるよう、理学療法士の知識や技能を活用していくものである。
日本スポーツ理学療法学会,概要(2022年2月10日参照)
http://jspt.japanpt.or.jp/jsspt/about/index.html
詳しい説明は日本スポーツ理学療法学会のサイトをご参照下さい。
私がよく聞かれる質問に「一般の整形外科の患者さんと、スポーツ選手に対するリハビリとで何か違いはありますか?」という内容があります。
大谷個人としては「大きく変わる事はない」と考えています。スポーツ選手だからといって、リハビリの流れは同じです。
ただ、一般の方と比べて以下のような特徴があるかな。と私は考えています。
・「目標とする動作」が一般的な生活とかけ離れている
・「時間的な制限」が設けられるケースが多い
・「動作や身体機能の変化」が「競技パフォーマンスの向上」に直結しない場合がある
それぞれ説明していきたいと思います。
「目標とする動作」が一般的な生活とかけ離れている
整形外科にくる一般の人が困っているのは以下のような動作が多いです。
「(痛みなく)歩きたい」
「(痛みなく)階段を昇りたい」
「(痛みなく)しゃがみたい」
「(痛みなく)バンザイしたい」
日常生活でよく行われる動作が出来ない(痛みが生じる)ために病院を訪ねるはずです。
最初にあげた理学療法士の仕事内容に関する説明でも「日常生活を行う上で基本となる動作の改善」という文言があったかと思います。
では、スポーツ選手はどんな動作に困って病院を訪ねるのでしょうか?
「全力疾走できない」
「全力走から急にストップできない」
「全力でジャンプできない」
「全力で投げられない」
この辺りは、一般の方でも行う事があるかもしれませんが、できなくても大きく困らないかと思います。
更にスポーツ現場に踏み込んだ内容となると
「素早い一歩で3m先まで移動できない」
「120㎏の重りを持ち上げられない」
「相手を気絶させられるキックができない」
などなど
一般の人からしたら「できなくて当たり前だろ!」と言いたくなるような動作が求められます苦笑
でも、彼らスポーツ選手にとっては「これが日常生活に必要な動作」なのです。
一見、現実離れしているスポーツ選手の競技動作も丁寧にみていけば、日常生活動作と共通する部分は多々あります。
しかし、スポーツ選手に対応する大前提として、それぞれの競技の特性に合わせた対応が必用という事を忘れてはいけません。
「時間的な制限」が設けられるケースが多い
基本的にスポーツ選手は切羽詰まってから病院を訪ねるケースが多いです。
通常であれば、傷害を受けた身体の組織が修復するには十分な時間が必要となります。
しかし、多くのスポーツ選手は「次の試合までに間に合わせなければいけない」という事情を抱えています。
・競技成績が自分の進路に影響を与える立場の選手
・チーム事情で自分が抜ける事ができない選手
・自身の競技成績によって去就や収入が左右される選手
この辺りはスポーツ分野における倫理の話にもなってきますが、たいていは可能な限り早期のスポーツ現場復帰を求められます。
大谷個人としては、スポーツ現場によくある「痛みに耐えて頑張りました!」という話を美談にしたいとは思いません。
ある一時身体に無理を強いたせいで、結局あとになって後悔する。というケースは多々経験してきました。
かといって、私はスポーツ選手が現場復帰を急ぐ事に対して「怪我した部分が治りきるまで無理をしてはいけない」と考えている訳でもありません。
一般人のように安心安全なリハビリ。ではなく、スポーツ現場のスピード感に合わせて、出来る限りギリギリの部分を目指していく必要があるかと思います。
無謀な事をしてはいけないが、悩んだ上で無理をせざる負えない部分がある。ここがスポーツ選手に対するリハビリテーションの一番難しい所だと私は考えています。
そして、最終的は判断は、決して誰かが独断で決めるような事があってはいけないと私は思います。
・選手本人
・家族
・チームスタッフ
・チームメイト
・医療従事者
・その他関係者
100%の正解は誰にも分かりませんが、多面的な角度から正解を模索し続ける事が大切だと私は思います。
ものすごく漠然とした話になってしまいましたが苦笑
スポーツの現場に携わる方が少しでも共感して下されば幸いです。
「動作や身体機能の変化」が「競技パフォーマンスの向上」に直結しない場合がある
これは非常に難しい話ですが、逃げずに向き合わなくてはいけない話です。
PTの目線として、「骨・靭帯・腱・筋肉など、特定の部位に負荷が集中する動作」を修正しようと考えます。
先ほどのジャンプ動作で膝が内側に入るようなケースですね。
なぜなら、スポーツ選手は「痛みをとるために」病院に来ているし、PTは「動作を変えるのが仕事」だからです。
PTの立場からすると「身体に過剰な負荷をかけない動作」を実施する事で「競技のパフォーマンスも向上する」と考えたくなります。
私も、そう考えていました。しかし、実際にはそんなに甘い世界ではありません。
多くの場合は「身体に過剰な負荷をかけない動作」を実施する事で、痛みは改善します。
しかし、「選手は何故負担のかかるような動作をしていたのか」という点を十分に考えなくてはいけません。
多くの場合、スポーツ選手には「身体機能(筋力や関節の可動域)が十分に備わっていない弱点となる部分」が存在します。
その弱点を補いながら競技を実施する為に、身体に負担のかかる動作を自然と身に着けてきた。というケースが数多くみられます。
先ほどのジャンプの例を思い出してください。
「股関節の筋力が弱い」という弱点を抱えながらも、ジャンプ動作を実施する為に
↓
「股関節の筋力に頼らずに」ジャンプ動作を実施しよう、と選手が試行錯誤をくりかえし
↓
「膝が内側に入るジャンプ動作」を自然と身に着けた
という可能性も否定できません。
筋力の備わっていない子供や女子の選手などは、上記のような背景を抱えている場合が多くみられます。
そのような背景を抱える選手に対し痛みの出ない動作が出来るようになっただけで安心してはいけないと私は考えています。
先ほどの例に戻ります。
(PTの評価と仮説が正しければ)「膝が内側に入らないジャンプ」を実施できるようになれば、膝の痛みは改善するはずです。
しかし「膝が内側に入らないジャンプ」は「股関節の筋力を必要とする」動作でもあるので、トレーニングが必要です。
股関節の筋力を改善していく事で、リハビリ室の中で「膝が内側に入らないジャンプ」が実施できるようになるはずです。
しかし、その動作は「選手が意識して股関節を使おうとしなければ実施できない」はずです。
もともと筋力が備わっていない弱点部分を使わないといけない動作なのだから、当然です。
選手にとって、最初はやりづらく非常に難しい動作であるはずです。
この段階では、今まで痛みを出していた「股関節の筋力に頼らない膝が内側に入る動作」の方が高くジャンプ出来るかもしれません。
このように、痛みの出ない動作は出来るが、それではスポーツ現場でパフォーマンスが発揮できない、という段階をたどる場合があります。
もちろん、ここからトレーニングを重ねて股関節の筋力をより向上させるとともに、選手自身が意識することなく股関節の筋力を使ったジャンプ動作ができるようになることで、最終的にパフォーマンスは向上します。
しかし、それには段階を追ったトレーニングと時間が必用だと私は考えています。
ここで、よく私が引き合いに出す研究論文を紹介させて頂きたいと思います。
オランダのオランダの機能解剖学研究者であるMaarten F Bobbert 氏が1994年に発表した論文です。ここから、主な研究内容を抜粋して引用します。
コンピュータ上のモデルに垂直跳びを実施させて、ジャンプ高を獲得するために、各筋肉が力を発揮する最適なタイミングを計算させます。
次に、全ての筋肉の出力を20%増加させて垂直跳びを実施させると、出力を増加させる前の条件から 0.020mジャンプ高が低下しました。
その後出力が増加した状態で、再びジャンプ高を獲得するために、各筋肉が力を発揮する最適なタイミングを計算させます。
再計算後、垂直跳びを実施させると、出力を増加させる前の条件から 0.078mジャンプ高が向上するという結果が認められました。
【引用文献】
MF Bobbert,AJ VanSoest.Effects of muscle strengthening on vertical jump height: a simulation study.Med Sci Sports Exerc. 1994 Aug;26(8):1012-20.
上記の研究を踏まえると、トレーニングで筋力が向上したとしても、一時的にジャンプ動作のパフォーマンスが低下してしまう可能性があります。
しかし、その筋力の向上に合わせた動作スキルを身につける事で、はじめてジャンプ動作のパフォーマンスが向上すると考えられます。(今回の研究を元にすれば筋の収縮のタイミング)
しかし、今回の研究はあくまでコンピュータによるシミュレーション上での話です。
投球動作のような上半身を使う動作や、ボールのキック動作のように直接地面を蹴らない動作など、様々なスポーツ動作において同様の結果が出るかは分かりません。
ただ、トレーニングで筋力が向上したとしても、一時的にパフォーマンスが低下してしまう可能性があると頭の片隅にあるだけでも、スポーツ選手に対するリハビリに対する考え方が変わってくると思います。
私の考えは以下の通りです。
身体機能を向上させて、身体に過負荷をかけない動作が実施できても、すぐにスポーツ動作のパフォーマンスがすぐに向上するわけではない。
そこから、身体機能の向上に合わせたスポーツ動作を身につける事で、はじめてスポーツパフォーマンスが向上する。
ものすごく簡単にまとめると
・一般人の患者は「痛みなく、動けるようになったらゴール」
⇅
・スポーツ選手は「痛みなく、強く動けるようになったらゴール」
というところでしょうか。
しかし先ほど述べたように、スポーツ選手のリハビリには時間的な制限が設けられる事が多いので、簡単に事は進みません。
病院の中で、「強く動けるようになる」までリハビリを実施し続ける事は難しい場合が多いです。
私もPTとして病院の中だけで選手をみていると、痛みなく選手が動けるようになると、ついつい一安心してしまいます。
笑顔でリハビリを卒業した選手が、実はスポーツ現場では全く動けていなかった。という失敗を何度も繰り返してきました。
私は「病院のリハビリ室の中で、実際のスポーツ現場と同じようなレベルでの動作まで確認できているのだろうか?」と、常に悩んでいました。
でも、完全に同じ環境を整える事は不可能です。
だからこそ、私はスポーツ選手のために、スポーツ現場に出向く必要があるのだと考えました。
スポーツ現場における理学療法士
上の写真は佐賀県で行われたマラソン大会において、県内の理学療法士が選手に対するマッサージなどのサービスを行っている様子です。
しかし、この活動はボランティアとして行われており、このようなスポーツ現場の活動を業(生活を支える仕事)としている訳ではありません。
多くの場合、理学療法士が「理学療法士としてスポーツ現場で活動」する際はボランティアベースであるはずです。
理学療法士は国家資格であり、その業務内容は以下のように定められています。
理学療法士又は作業療法士は、(中略)診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。
e-Gov法令検索,理学療法士及び作業療法士法 第15条(2022年2月10日参照)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340AC0000000137
「診療」とは医師の行う行為の事です。つまり理学療法士は医師の指示の下で、はじめて理学療法を実施する事ができる資格であり、それを業(生活を支える仕事)とできる資格なのです。
現在、日本の数多くのスポーツ現場で、理学療法士の方がスポーツ選手をサポートする為に働いています。
プロ野球やJリーグなど、スポーツ現場が求人で求める資格として「理学療法士」を挙げている事も少なくはありません。
おそらくは、理学療法士という資格を持った人間が「トレーナー」として働いているのだと思われます。
※「トレーナー」という言葉の定義や活動内容に関しては、簡単には述べられないので、また別の機会にまとめていこうと思います。
しかし、私は直接そのようなスポーツ現場に関わった事があるわけではありません。理学療法士がスポーツ現場において、どのような立場で、どのようにして働いているのか語る事が出来る立場ではありません。
これからスポーツの現場に入っていきたいと考えている方は、自分の取得しようとする資格や業務内容について今一度情報を整理すべきかと思います。
では、私はどうのようにしてスポーツ現場に関わって来たのか?
私は「トレーナー」として、スポーツの現場でスポーツ選手のサポートに臨む事を経験させて頂きました。
もちろん対価として謝礼を頂く事もありましたが、決してスポーツ現場活動によって生計を立ててきたわけではありません。
私はあくまで、病院に勤める理学療法士として生きてきました。プロの理学療法士であると自信を持って言えます笑
トレーナー活動に関しても、職場である病院側の理解やサポートなしには継続する事は出来なかったと思います。
もともと私は「自分で自分の身体をメンテナンスしながら陸上競技を続けたい」とい思いで、医学やリハビリテーションを学ぶために大学に進学しました。
・解剖学・生理学・病理学といった医学的な知識
・運動学・運動力学のような動作や力学に関する知識
・それらを元にした、いわゆるバイオメカニクスといった知識
・上記の知識を元にしたリハビリテーションの知識や技術
こういった理学療法士としての知識や技術は、自分自身がスポーツを続ける上で非常に役立ちました。
また、スポーツ選手に対するリハビリテーションに関しても数多く経験を積ませて頂きました。
しかし理学療法士としてスポーツ選手のリハビリテーションに携わる中で、病院の中で得られる知識や技術だけでは足りないと感じる事も多々ありました。
何より、スポーツ現場に出向いたときに、理学療法士としての知識・技術だけでは不十分だと感じました。
私自身、スポーツ現場に出向く事を経験してきました。
しかし「理学療法士として」スポーツ現場に出向くのはどのような時か振り返ってみると。
・自分がリハビリを担当した選手がスポーツ現場でどのような動きをしているか確認
・きちんと痛みなく、現場に求められているパフォーマンスを発揮できているか確認
・1人の理学療法士として、スポーツ現場の勉強と選手の応援がてら現場行く
というスタンスで現場に出向いていました。
そして、「理学療法士として」ではなく、トレーナとして、スポーツ現場の中に深く入っていく事になります。
その過程の中で、理学療法士としての知識や技術は非常に役立つものでありました。
それと同時にスポーツ現場では、理学療法士としての知識や技術だけでは足りない。とも感じる様になっていきました。
さいごに
今回は私が保有する資格の中で、一番初めに取得した理学療法士の資格について話をさせて頂きました。
あくまで大谷個人の見解ですが、スポーツ選手のサポートに関わりたい人や、スポーツ選手・スポーツ指導者の方などに興味を持っていただけたら幸いです。
今後、その他の資格についても説明をさせて頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。